バナナ設楽ほか、人気の陰に「不遇時代を支えた妻」たち

 3月22日に放送されたバラエティ番組『バイキング』(フジテレビ系)で、お笑いコンビ・トレンディエンジェルの斎藤司(38)が長年交際していた女性と破局していたことを報告。交際していた女性は、斎藤がブレイクする以前から陰で支えていたことで知られていた。そのためこの発言後、斎藤は「長年支えてくれた彼女に失礼」と、一部からバッシングを浴びることに。

 一方で、売れない時代をともに過ごした女性と結婚し、家族となった芸人たちもいる。お笑いコンビ・バナナマンの設楽統(43)は、19歳からつきあっていた女性と交際7年目に結婚。彼女は、設楽が風呂なしアパートに住んでいた頃から献身的に支えていたという。設楽は、バイトをしなくてもギリギリ芸能活動だけで食べられるようになったとき、「そろそろ風呂のある家に引っ越したいから一緒に住まない?」とプロポーズ。2002年には娘も誕生し、幸せな家庭を築いている。今や情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)のMCなど、大きな仕事を任されている設楽だが、その陰には奥さんの“内助の功”があった。

 ピン芸人のあばれる君(30)も、ブレイク前から交際していた女性と2013年に結婚。二人は高校時代からのつきあいで、あばれる君は卒業後に東京の大学へと進学。彼女は地元に残り、遠距離恋愛となった。その後、彼女も上京すると、看護師として働きながらあばれる君を収入面で支えるように。バラエティ番組『ジャネーノ!?』(フジテレビ系)に出演した妻の由夏さんは、結婚した当時、あばれる君の月収が9万円だったことを告白。しかし「私が働けばどうにかなる」と前向きに思ったことを明かしている。そして、なぜ結婚に踏み切れたのかを尋ねられた由夏さんは「私は彼のことしか好きになれない」ときっぱりと答えていた。

 “ギター侍”として一世を風靡した波田陽区(41)は、12年の交際を経て2007年に結婚。相手の女性とは大学の文化祭で出会い、一目惚れした波田が全力でアプローチして交際をスタートさせた。その後、波田の上京によって遠距離恋愛となったが、収入がほとんどない波田を電話で励ましたり、会いに来て食事を作ってくれたりしたという。当時、月の生活費が数千円しかなかった波田。デートといえばもっぱら公園や池だったが、彼女は文句一つ言わなかったそうだ。そんな過酷な時期をともに過ごしてきた彼女に対し、波田は仕事がようやく軌道に乗ってきた頃にプロポーズ。そのとき彼女は、涙を流して喜んだという。

 ピン芸人とにかく明るい安村(35)も、下積み時代を現在の妻に支えられた人物だ。2012年に結婚したが、当時の安村の月収はわずか10万円。子どもも生まれ、妻の貯金を切り崩して生活していた。厳しい経済状況が続いたため、安村は芸人を辞めると決意したこともあったというが、妻は「芸人は続けたほうがいい」と安村を叱咤激励。バラエティ番組『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)で、安村は当時を振り返り、「(彼女が)なぜついてきてくれたのか分からない」と、疑問に思っていることを告白。それに対し、奥さんは「お金があってもなくても、笑顔のあなただから一緒に歩んでこられました」「安心してください、ずっと一緒にいますよ」と手紙で返答。これにはスタジオも大きな感動に包まれていた。しかし昨年3月、『週刊文春』(文藝春秋)に、不倫をスクープされてしまった安村。奥さんに何時間も謝り続け「クソが」と罵倒されながらも許してもらったそうだ。それでも安村を見放さない奥さんの「度量の大きさ」には感服せざるをえない。

 将来への不安がつきまとう「お笑い芸人」という仕事。それでも売れない時期から献身的に支えてくれる彼女たちは、とことん相手の人柄に惚れ込んでいるのだろう。つらい時期を一緒に乗り越えてくれた奥さんだからこそ、芸人として売れた後も大切にしてほしいと切に願う。