圧倒的コスパでバカ売れ格安スマホがこれだ!価格1万円台でもスペック3万円レベル

 いまや日本のスマートフォン市場の2割を占めるとの調査もある、SIMフリースマホ。多くの端末メーカーが参入したことで、店頭にはさまざまなモデルが並んでいる。そのなかでも突出しているのが、中国のファーウェイだ。果たしてほかのメーカーは、対抗できるのだろうか。
●販売ランキングの常連に
 格安スマホとの触れ込みで売られているSIMフリースマホだが、ファーウェイは複数の価格帯に端末を投入する。特に売れているのが、2万円台半ばの「HUAWEI P9 lite」だ。
 2月のGfK Japanの調査では、SIMフリー端末として初めて販売ランキングのトップ10に入り、その後はランキングの常連になりつつある。これまでランキングを独占してきた大手キャリアの米アップル製iPhoneに続き、SIMフリーのファーウェイ端末がランクインしたことは快挙といえる。
 さらに2017年には、2万円前後の価格帯に「HUAWEI nova lite」を投入。これが今、爆発的に売れているのだ。LINEモバイルでは、在庫の追加が間に合わないほどの勢いだという。女優ののんさんを起用したテレビCMでも、nova liteをアピールしている。


 4月に八重洲地下街に専門店をオープンしたイオンモバイルも、今最も売れているスマホとしてnova liteを挙げる。とにかくコストパフォーマンスの高さが人気の秘密だという。
●価格は2万円でも中身は3万円クラス
 果たしてコストパフォーマンスの高さは本物なのか。いまやネットで検索すれば口コミサイトが上位に表示され、悪評はすぐに広まる時代だ。「安かろう悪かろう」では、そこまで売れ行きが伸びることはない。
 その点、nova liteは実際に使っているユーザーからの評価も高い。メモリーは3GBを搭載しており、操作感は滑らか。5.2型・フルHDの画面もくっきりした表示で見やすい。厚さは7.6mmと薄く、安っぽさを感じない仕上がりだ。Androidのバージョンも最新の7.0、バッテリー容量も3000mAhと隙がない。
 たしかにnova liteには、防水やおサイフケータイといった日本向けの機能はない。さらに細かく見ていけば、ストレージの容量がやや小さいとか、5GHzのWi-Fiに対応していないなど、細かくコストダウンしている点はある。
 しかし質感やスペックを見ていけば、他社の3万円クラスに匹敵するレベルに仕上がっている。その背景には、製品ラインアップの分厚さがある。つまり、PシリーズやMateシリーズなど上位機向けにつくり込んだ機能や加工技術を、普及価格帯にうまく落とし込んでいるというわけだ。
 さらに、本体価格としては2万円台前半だが、SIMカードとのセットなら1万円台で売る事業者も現れ、コストパフォーマンスの高さはますます際立っている。


 格安スマホ市場全体は拡大しているとはいえ、いよいよ他メーカーは追随が難しくなっている。日本で安定したブランド力を誇るソニーモバイルコミュニケーションズや、ファーウェイに匹敵する勢いの台湾ASUS、シニア層の安定した人気を誇る富士通は生き残っていきそうだが、ファーウェイのシェア拡大は当分の間、続きそうだ。
(文=山口健太/ITジャーナリスト)